神保町で毎秋行われる 洋書まつり というイベントにいってきました。
会場の雰囲気はこんな感じ:
洋書まつりの季節がやってきました🍁
— 河野書店 (@konoshoten) October 28, 2021
🗓10月29日(金)10時〜18時
10月30日(土)10時〜17時
🗝東京古書会館にてhttps://t.co/6EJgUjOvv3
\河野書店はジョイス特集です!/
ご来場お待ちしております📚
※手指消毒とマスクの着用にご協力ください。体調が優れない場合のご来場はお控えください。 pic.twitter.com/Evj67WRXaD
洋書まつり、当店の目印はツタンカーメンです。10時開場。よろしくおねがいします。 pic.twitter.com/DEQpiCqtHR
— 三日月書店 Mikazuki Books (@mikazuki_books) October 29, 2021
1日目
ちょうど学校が mid-term のお休みだったので、1日目の金曜日も朝から参加することができました。
毎年、じつは丸善の本を楽しみにしていて、なぜかといえば「Penguin Books をはじめとした 英語圏の新書 のうち、すでに読まれていて安く売られているもの」は神保町でも見つからないからです。去年は、たとえば Steven Pinker の Enlightenment Now とか Sense of Style があって、当然買ったわけですけど、今年は既読の新書が去年に比べると少なかった気がしました。
-- そういうわけで、1日目の最初に選んだのはこれ:
Jonathan Culler の Structuralist Poetics, このまえ豊洲 TeamLab の帰りに買って読んでひたすらすごかった: 特に、Roland Barthes の Essais Critiques からの抜粋:
I have been engaged in a series of structural analysis which aims at defining a number of 'non-linguistic languages'
-- Rolan Barthes, Essai Critiques, p.155
そういうわけで、
を探求する試みをだいたい構造主義とよぶのがいいでしょう (as a first approximation, ラカンの指す 無意識 とか例にとっても確かに一貫した考え方であるようには見えます: [しかし、問題はここでブルバキがどう関わってくるかということです])。
さて、今年は去年まで本の整理のために設置されていた 机と椅子 が無い代わりに「木の板」が床に置いてあって *1、そこで最終的な本の選択・値段の計算等を済ませます。
- Merlau-Ponty の Le visible et l'invisible が 300円, バグってませんか (水中書店)
2日目
2日目は、Twitter で知り合ったある北欧好きの方と一緒の訪問でした。
- Russell の autobiography! -- 去年の今頃はこれが欲しくてたまらなかった (なお、200円) (古書ワルツ)
さて、交差点向かいの 南洋堂 に寄って北欧建築を立ち読み、大通りの書店街をふらついたあと Milonga Nueva という喫茶店で北欧への憧れを話し合いました。
店内で流れていたタンゴの雰囲気しか思い出せませんが、たとえば
- Karl Marx の class consciousness と
- Max Tegmark の数学的意識論 (https://arxiv.org/abs/1401.1219)
に通じる「内側からの感覚」みたいなテーマに最近興味がある*2というようなことを bounce off-る等。
今日いちばん嬉しかったのは、なにより、これ!
少数民族の文化に美をおぼえる繊細さ (sensibilité)!-- 北欧が好きになることの よろこび [delight] というのは、こういった、深い人間味に触れることにある*3と思った午後.
-- Good-bye.
*1:初日の朝に、既に座り込んで段ボール箱2個分に相当する量の本の山を整理していた人を見かけたので、そのように察し、了解したといういきさつ
*2:ウクライナで生まれた友人の おばあ様 によれば、USSR [ソ連] の国民は当時、「母国が全て・他国は滅びるもの」だと思っていたらしい: ここで、日本に今日生きている自分たちが、これを おかしい と思うのも、Ricœur が言うところの distanciation によるものであるようにみえる: しかし、大事なのは「じゃあ、今の日本は?」と反省すること (reflexion)、これです
*3:second-order preference っぽい響き: https://en.wikipedia.org/wiki/Higher-order_volition